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ダモレ(d’amore)のたわごと のだめカンタービレ 映画話 ケルト話 etcとか。ネタバレ解禁。最終更新はカレンダーの色が変わっている日付をポチ。またはカテゴリから。


by damedelarose
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尊敬すること

時代小説が大好きです。

といっても、最近の作家さんを読むことは少ないのです。
宮部みゆきさんも好きといえば好きだけど、文章のリズムでいくと、池波正太郎と平岩弓枝。
池波さんが亡くなったときは衝撃でした。
・・・最後まで書いてくれよぉ!!という正直な、ミザリー的心情も含めて。

平岩さんと池波さんは同じ文章師匠=長谷川伸についていたので、明治の日本語のリズムがあります。
司馬遼太郎も、明治のことばやリズムを愛していたので、同じなんですよね。
明治とは、西洋文化に比肩する日本の文化を守ろうと、また系統だてて言文一致をめざそうとした時代でもありました。
太平洋戦争後のさまざまな改革は・・・日本人のプライドを無視したものでもあったので、明治を知らない戦前戦中派の作家たちにとって、「明治」は眩しい憧れ、潔さや清新さ、というものをあらわしていたのかもしれません。
司馬、池波、子母澤などにはそういう気風をするのです。

平岩さんはその流れを受け継いだ人といえます。

『御宿かわせみ』が明治編にはいって、これほど読ませる展開になるとは思わなかった!のが正直な感想です。
幕末の主人公たちの過酷な運命をのりこえる、第2世代の青春。
ある意味自作の二次創作に近いかも?(笑)それほど、江戸っ子な展開に、平岩さんの力量を見せられてしまいました。
平岩さんも昭和一桁世代、長寿シリーズをこういう展開にした決断とかセンスとか、尊敬します。そして、もっと書いていただきたい作家です。
by damedelarose | 2008-06-09 21:15 | すおな~れ*キイテクレ