ダモレ(d’amore)のたわごと のだめカンタービレ 映画話 ケルト話 etcとか。ネタバレ解禁。最終更新はカレンダーの色が変わっている日付をポチ。またはカテゴリから。


by damedelarose
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madonna       ******SS

彼女の名前は、春に咲く花の名前だと聞いた。

彼女の国には、何人もの春の女神たちがいるのだと言う。

遠い遠い、東のかなたにある、彼女の国。
近く遠く、高く低く山々と丘がつらなって、おだやかな人々が住み、
数え切れないほどの神々と精霊を信じている、神々の国。

僕にとっては、彼女こそが春を告げる女神。

ma donna mina・・・




「フランツ・・・」
「ミーナ?」
「あなた、いったい、何しに日本へ来てるの?」
東京のまんなかで日本庭園が美しいと評判のホテルのティールームで、ミナコとお茶をする!
ミナコからの誘いが、こんなにうれしいなんて、と苦笑してしまう。
若かった恋ごころは思い出だけど、それでも、ミナコに会うたびにあの甘さが胸に甦る。
それを楽しむ余裕があるのが、年をとった証拠なのかもしれない。
そんな浮き立つ想いが、あっさりばっさり切り捨てられてしまった。
これもまた、ミナコのミナコであるところなのだけれど。
「ナニって、シゴトです。」
妙にきっぱりと言い切ってみる。
ミナコが、細い指を額にあてた。
「遊びも仕事の内なんて、言わないでちょうだいよ。ドイツ人のあなたからはとくに!聞きたくないわ」
「・・・」
先にセリフを言われてしまうと、返すコトバが無いものだ。
仕方なく、カップに手をのばして熱いお茶を飲んだ。
ミナコも、カップを両手で包む。
飲むでもなく、薄く白い磁器のふちをそっとなでている。
「千秋くんのデビュー、嬉しかったわ」
しばらくして、ぽつりとミナコが言った。
そして、まっすぐにこちらを見つめてきた。

黒くて艶やかな目に、どきりとする。

「チアキなら、ちゃんとやっていけますヨ」

ありきたりな答えに、ミナコが微笑んだ。


ほんとはね、わたしの手元にくる音楽を愛する子どもたちすべてに、音楽で生きていって欲しい。ずっと、死ぬまで、音楽をすることを幸せだと感じてほしいの。
もしかしたら、わたしのように、したくてもできなくなってしまうかもしれない。
音楽以外のことで生活せざるをえなくなってしまうかもしれない。
それでもね、人生の最後に、音楽とかかわってよかった、と思ってほしいの。
それが、わたしがこの仕事をしている、理由。

「千秋くんは、そのなかでもとても幸運なひとりだから、才能をしぼませたくなかった・・・」
「そうですネ・・・」
ミナコが、にっこりとして、手を伸ばしてきた。
思わずその手を、とった。
細く長い、この指が奏でた音を、忘れたことはない・・・
「そしてね、フランツ、あなたのことも」


「わたしの一番最初の、音楽の仕事は、あなたに指揮者になれっていったことだわ」

あざやかに微笑む、春の女神のきっぱりとした言葉に、しばし呆然とした。
忘れてなどいなかったけれど。
あれから何十年、二人とも違う人生を歩いてきて、こんなに年をとって。
彼女は、女神。
老いてなお、その人生を輝かせている。

「だから、あまり無理をしないで。わたしは、あなたの音楽をずっと聞いていたいのよ」


頭をたれて握っていた指先に、そっとくちびるをふれた。
敬愛するわが女神へのくちづけを、彼女は寛大に許してくれる。
ma donna 。

ミナコに懇願されてしまっては、芸者遊びもクラブのはしごも少しは控えてみようという気になる。
これまでミナコが恋人として振り向いてくれなかったことも、いまのミナコの言葉で帳消し
だと思える。

お庭に出てみましょう、というミナコをエスコートすれば、もういちど青春が甦ったも同じ
だから・・・
庭に咲く春の花々を指さすミーナと腕をくむなら、それで本望。

ma donna、primavera。






『ありがとうございました、フラウ・モモダイラ』
「どういたしまして。わたしも楽しかったわ」
『そうおっしゃっていただけると・・・これで日本にいる間だけでも、少しは大人しくなると
思いたいですね』
「そうねえ、まあ、まったく無いってわけじゃないでしょうね。一応わたしがダメおしがわり
に何度か誘ってみるわ」
『おそれいります・・・』
「あの人も若いつもりなのか、それとも舞台のうえで死にたいタイプなのか、ちっとも
体のことは考えないから・・・」
『舞台のうえでは死なせませんよ!そんなことになったら、契約不履行で大変なことに
なります!!』
「・・・じょうだんですよ、エリーゼ」





桃平美奈子女史と敏腕マネージャーエリーゼの陰謀がフランツ・フォン・シュトレーゼマンにバレることはなかった・・・




のか?




音楽と恋が無かったら。
ミーナとの出会いが無かったら。
ミーナだから、ミーナの魅力の魔法という網に、かかった虜になろう、
音楽と恋はいくつになっても、彼のあたらしい遊び。






『トスカ』の「歌に生き恋に生き」をミルヒーでやってみました(笑)

ジジjババの恋愛も好きです♪
あと何十年かして・・・ジジババの年になったら、かっこよく、粋なジジババに
なりたいもんです。
オバサンという響きはキラいですが、オバーサンは好きですから(笑)


身近なオバーサンはすごくかっこいい人たちが多い。
・・・そしてなぜか独り者の方ばかり。
人生いろいろすごして、さらりと生きるのもいいし。


ミルヒーのようにネットリ熱くガムシャラに人生送るのは、一握りの方でしょうが。
熱すぎて周りのワカモノ=チアキをふりまわしてくれる、ミルヒー♪大好きです。
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by damedelarose | 2005-02-24 02:08